相談者情報
- 性別
- 女性
- 年代
- 20代
- 勤務歴
- 3年
- 業種
- 広告代理店
「あの日、電話をかけて本当に良かった」——退職代行を使った私の体験談
正直、最初は「退職代行なんて使ってもいいのだろうか」と思っていました。社会人として、自分の口で「辞めます」と言うのが当然。そう教えられてきました。でも、心も体も限界に来ていた私には、それすらもできない状態だったのです。
当時勤めていたのは小さな広告代理店でした。仕事そのものはやりがいもあり、最初のうちは充実感も感じていました。しかし、人手不足の中で連日の残業、休日出勤、上司からの叱責。ミスをすれば「なんでこんなこともできないの?」と責められ、成功しても「当たり前でしょ?」と流される。次第に、自分の存在価値が分からなくなっていきました。
気がつけば、朝起きるたびに吐き気がして、電車に乗るのが怖くなり、何も手につかなくなりました。それでも「辞めたい」と言い出す勇気は持てませんでした。怖かったのです。「逃げるな」「甘えるな」と言われるのが。会社にいる誰にも相談できず、家族にも言い出せず、スマホで「退職 言えない」「辞めたいけど言えない」と何度も検索していました。
そんなときに出会ったのが、退職代行サービスでした。
最初は半信半疑でした。「本当に代わりに伝えてくれるの?」「トラブルにならない?」「あとで連絡が来たりしない?」そんな不安ばかりが頭をよぎりました。でも、それでもいいから、この苦しさから解放されたい。そう思って、意を決してLINEで相談しました。
返ってきた返事は、とても丁寧で優しいものでした。「ご状況、よく分かりました」「ご安心ください。私たちが責任を持って対応します」その言葉に、なぜか涙が出てきました。ああ、ようやく、誰かが自分の味方になってくれた、と。
手続きは本当にスムーズでした。私がやったのは、必要事項を伝えて、料金を支払い、会社にもう行かないと決めることだけ。あとはすべて、代行の方がやってくれました。上司に直接言う必要もなく、嫌な顔を見ることもなく、退職が完了したのです。
その後、会社からの連絡は一切ありませんでした。貸与されていたPCや備品は、指定された住所に返送し、手続きはすべて終わりました。
退職後は、しばらく何もしない時間をつくりました。毎日ゆっくり眠って、朝起きて散歩して、好きな本を読む。ただそれだけのことが、あんなに幸せに感じられたのは久しぶりでした。
もちろん、「もっと早く辞めればよかった」と何度も思いました。でも、当時の自分にとっては、それができなかった。だからこそ、あのとき退職代行を使った自分の選択を、今は誇りに思っています。
退職代行を使うことは、決して「逃げ」ではありません。自分の人生を、自分の手に取り戻すための「選択肢」です。もしあのまま我慢を続けていたら、きっと私は今も笑えていなかったと思います。
今、あのときと同じように悩んでいる誰かがいるなら、伝えたい。
「自分を守るために、退職代行を使ってもいいんだよ」